コラム

2006.4.22

「棲む家」をつくる

東京では、青々と茂った木々の美しさと、春の陽気が、外を歩く人々にも感じ取ることができます。そして、秋田とは、まったく違う、この暖かさを羨ましく思ったりします。ふと、知っている風景を見て、昔、東京に住んでいた頃を思い出すと、月日の移り変わりは、光陰矢のごとし、あっという間だなあ、と感じます。

秋田スギの家を建てていると、地元秋田という土地のものを活用しているという自覚が、ありますが、すべてを秋田スギで使うということには、なりません。たとえば、ウッドデッキは、雨を空から垂直に強く当たるため、柔らかい秋田スギでは、いくら塗料を塗っても、割れやハガレの現象が出ます。
そのため、水に強い、材質の硬い強い材料が、最適ということになります。そして、土台や水の影響を受けるところにも、やはり、スギよりもヒバやヒノキを使うほうが、良いと言われます。そして、その木材も国産材のほうが、地球環境を考えた場合には、良いと思われます。
外国やヨーロッパの建物は、石やレンガを積み上げた家が、多くあります。それは、「地震がない」ということもありますが、「石」が、豊富にあったということでした。しかし、日本は、「木」が、豊富にありましたし、地震も多いということで、昔から「木組みの伝統工法」の家が、多くありました。
そして、今、その伝統工法の家を継承していくと言った活動が、よく聞くことができます。インターネットの普及とともに 特に地方において、活躍している建築家や工務店が、地元の木を使い、伝統工法で建てる家が、注目されていますが、それも、ブームなのか、ハウスメーカーもそのイメージで、販売してきています。

住宅設計のセミナーや講義に出席し勉強をしていると、今までの「住宅」というものが、あまりにも「売り手」ばかりを考えた、「商品」となってしまい、住む人のための「棲む家」になっていないことに気づきました。「棲む」とは、木に妻と書き、「木の家に妻と一緒に住む」というような、人間の家族が、仲良く生息する場のことです。

これから、村上商店は、その「棲む家」をリーズナブルな価格で、安心して、楽しく暮らせるサービスを含めて、新築とリフォームで、提供していきたいと思います。

by 村上直樹