コラム

2006.4.9

終点のない目標をクリアしていく

今日は、朝から曇りで寒かったのですが、日中は、天気も晴れて、だいぶ暖かくなりました。現在、公開中の秋田スギの無垢の床材の家では、その自然な温もりを足の裏に感じますので、とても快適です。

昨日は、茶道のお稽古場に行ってきました。私は、表千家ですが、最近、ほとんど、稽古に顔を出していないので、お点前は、すっかり忘れてしまいました。しかし、背筋を伸ばし、お点前をすると、風炉釜の中のお湯に柄杓で水を差した時、煮えたぎる音が消えるという一瞬の静けさは、茶室という空間に凛とした空気を漂わせます。
茶道のお茶には、「薄茶」と「濃茶」があります。薄茶は、誰でも飲みやすいお茶ですが、濃い茶は、ドロドロしたお茶で、飲み方も「ふくさ」という織物のハンカチのようなものを使い、その上にお茶碗を乗せて、一つの茶碗のお茶を5人程度で、回し飲みします。ですから、作法もむずかしく、飲みにくいのですが、高貴なお茶席として催されます。
お茶席には、「掛け物」「お花」「お茶碗」「お棗」「お茶杓」「お菓子」などなどありますが、それぞれを その時お招きするお客様に説明できるようにしておかなければなりません。また、トータルコーディネートといいますか、お茶席にある、お道具すべてが、つながりがあり、その季節、その席のコンセプトを説明できるようになっています。

そして、何気なく置いている花器やお花、掛け軸に対し、招かれた客もその亭主の気持ちを察して、褒めあう会話を交わすところに面白さがあります。しかし、そのためには、相当の知識と経験、勉強が必要ですので、お茶のお稽古には、終点がないのかもしれません。
というより、どんな仕事、勉強、研究にも終点がなく、目標をひとつひとつ確実にクリアしていくことが、大事だと思います。

by 村上直樹