コラム

2006.4.6

儲けることと稼ぐことの違い

きょうは、長女の高校の入学式です。朝から天気が良く、久しぶりにまた、ウォーキングを楽しみましたが、日中は、4月なのに雪が降ったり、風が強く吹いたり、不安定な天気です。やはり、桜が咲かないと、暖かくは、ならないのだと思います。

先ほど、「こだわりのドレッシング」という商品の販売店の係長が、お詫びにきました。それは、先日、家内が、カタログで宅配した食品なのですが、「期限切れ」の商品を配達してしまったということで、1件1件の家庭を回っているようでした。わたしは、あまり、ドレッシングというものを自宅では、食べないので、「はぁ?」という感じで、受け答えしたのですが、とても、深く反省しているということで、神妙にお詫びをされていきました。

食べる物は、体の中に入ってしまいますので、「安全」で「安心」できるものでなければなりません。しかし、世界の中の日本ということを考えてみると、「衣食住」に関しての「安全と安心」には、とても恵まれていると思います。それは、「飲料水」においても、不衛生にしている「雨水」を当たり前のように飲んでいる国の難民の子供たちと比べると、私たちは、あまりにも幸せで、本当に心が、痛みます。

最近、私は、「儲ける」という言葉が嫌いです。「利なくして、経営なし」と言われますので、経営者なのに大丈夫?と思われてしまいそうですが、仕事をするということは、まず第一に「儲ける」ためだけでは、ないということだと思います。もし、「儲ける」ためだけだとしたら、「悪いこと、法律を守らないこと、ごまかすこと」をすれば、たくさん儲かると思います。

ですから、私は、「稼ぐ」ということばが、好きです。漢和辞典で調べてみると、「儲ける」とは、利益のために最初から寄せておくことであり、「稼ぐ」とは、穀物の栽培を収穫することです。ですから、前者は、うまくいってもいかなくても、つまり、相手が喜ぶ、喜ばないを別にして、お金を得ることですが、後者は、栽培が、うまくいかなければ、収穫ができずに、お金が入ってこないことになります。

私達の本当に仕事とは、やはり、「儲けるために」一攫千金を目指すことではなく、「稼ぎ出すために」昔からの日本の農業のように一つ一つ丁寧に工夫し手をかけ作物を見守り栽培し、収穫していくことだと思います。
そうすることが、お客様にサービスという「目に見えないもの」と上質の住宅という「目に見えるもの」を提供できると思います。

by 村上直樹