コラム

2006.4.2

生きている素材の温もりを感じる

今日は、曇りのち雨で、まだまだ、肌寒い日ですが、「秋田スギの家」の完成見学会場の室内では、ストーブ1台で、全室暖かく、また、秋田スギの無垢の床材が、ほんのり温かく、爽やかで気持ちの良い空間です。
この秋田スギの無垢材ですが、機械乾燥で含水率20%以下になってくるのですが、建ててからも自然乾燥しますので、「バキ」とか「パキーン」という音が、聞こえます。これは、初めての人が聞くと驚いてしまいますが、昔から知っているお客様は、「そうよ、木が生きている証拠よ」と、逆に教えていただきます。

無垢の木は、呼吸するように水分を吸ったり、吐いたりします。それは、木の繊維が、ストロー状になっているので、そのような現象になるのですが、この繊維質が、湿度調整だけでなく、繊維方向にはコンクリートよりも強い耐力も持ち合わせていると言われます。木造住宅の醍醐味や良さは、やはり、この本物の木を使うか、使わないの差だと思います。

たとえば、フローリングは、合板に木調のフィルムを貼ったものですから、当然、呼吸はしていません。ということは、言葉が悪いですが、呼吸をしていない死んでいるような冷たい素材だと思います。フローリングだけではなく、建具、枠材、巾木、家具なども同じですが、それぞれを「本物の無垢材」でつくると、生きている素材の温もりがあり、本当に気持ちの良い空間になります。

そして、できれば、新鮮な地元の素材「秋田スギ」の無垢材でつくる家で、暮らすことは、気持ちの良い、本当に幸せな暮らしを実現すると思います。

by 村上直樹