コラム

2006.3.5

広がり間取りの家で暮らす

昨日は、新築を建てたいと言うお客様と打ち合わせをしました。新築の場合は、まったく新しい生活、暮らしのための「住まい」づくりですので、リフォームと違い、住んでみて、ここの点が、不便だから改善する、狭くなってきたから広くする、暗いから明るくするといった、生活してみて実感して、その家の悪い点を改善するといった明確な目的は、ありません。
つまり、新築の場合は、まだ、そこに住んでいませんので、将来、このようになるのでだろうといった仮想で、プランをつくります。そのため、部屋数や面積が多くなったり、使わない部屋が出てきたりします。昔、住宅には、必ず、「応接間」と言う部屋が、玄関の脇にある家が、多くありましたが、そのほとんどが、使われず、物置になっていたという話しは、有名でした。

ですから、いつも使わない部屋ではなく、「兼用する」部屋をつくることが、必要になります。たとえば、LDKという部屋は、リビング・ダイニング・キッチン、つまり、居間と食堂と台所が、一緒になっているわけですが、昔ですと、それぞれ部屋で仕切ったものですが、現在では、壁を取り払い、キレイな台所を見せるようになりました。
最近、リフォームでも、このレイアウトプランに変更する工事が、多くありました。
また、家族だけで過ごすわけですから、「気配」を感じれる、明るく、風通しの良い、家族団らんのためにひとつに集まる部屋をつくり、部屋数や大きさを可変な壁や収納で間仕切り、「広がり間取りの家」にすることが、理想だと思います。

東京ですと、土地がとても高いので、「狭小住宅」といって、小さな空間を上手に使いこなしています。無駄な空間が、出ないように、そして、兼用の部屋を作るといった方法をつかわれています。先日は、住宅専門誌に「トイレと廊下と書庫」を兼用にする家がありました。普段は、トイレを開けておき、廊下と書庫にして、用をたす時閉めて使用すると言う家で、トイレの壁は、ナント、明るさを取り入れるため全面丸見えの窓ガラスでした・・・。
でも、私は、やはり、秋田では、秋田らしい家、暮らし、生活がありますので、そこにマッチした空間作りが、必要だと思います。
「ほっとする家」、「優しさに包まれた家」、「住む人が健康で、幸せになる家」、そんな家がいいと思います。

by 村上直樹